【当季雑詠】；霞；93；○；無精卵ばかり鶏舎に梅雨菌；売られている卵が無精卵ばかりなのは知っていても、実際の鶏が次々と孵らない卵を産み落としている姿はやはり切ない光景に写る。梅雨菌の寂しさがその切なさ、やりきれなさを際立たせている。霞； #yasei_kukai

【当季雑詠】；友；93；○；無精卵ばかり鶏舎に梅雨菌；脇のキノコによって、鶏舎への違和感がジメジメした空気をまとった具体的な出来事になっていて好きです。個人的にキノコには「生命っぽくない」（無精卵と正反対ではない）印象もあり、複雑さのある句と思ってます。 #yasei_kukai

【当季雑詠】；ひでやん；93；○；無精卵ばかり鶏舎に梅雨菌；梅雨茸の生えるような湿り気のある鶏舎。産まれる卵はすべて無精卵。それは人間の都合でそうさせられているのだ。対して、茸の菌糸は自由に茸を形成している。； #yasei_kukai

【当季雑詠】；黒木；93；◎；無精卵ばかり鶏舎に梅雨菌；当たり前と言えば当たり前の光景ではあるが、あらためて言われるとハッとする。焦点の絞り方と季語の選び方で、写生から一歩踏み込んだ句になった。世界の見え方をくるりとひっくり返してくれる句が好きです。； #yasei_kukai

【当季雑詠】；さ；93；選外；無精卵ばかり鶏舎に梅雨菌；鶏舎に卵がある当たり前を改めていうだけなら「ばかりの鶏舎」でも可能。「ばかり鶏舎に」は「無精卵以外ものもある中で無精卵だけが」となる。面白かった。意図と思い切った省略があると思う。知りたい； #yasei_kukai